食物アレルギーにならないために~リスク因子は?

 まず、妊娠中や授乳中のお母さんの食事等についてですが、学会からも「食物アレルギーの発症予防のために、妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することは、効果が否定されている上に母親の栄養状態に対して有害であり、推奨されない」と提言されています。特別な食事制限をせず、バランスよい食事を心がけましょう。

 わかっているリスク因子としては、家族歴、遺伝的素因、出生季節等がありますが、特に重要なのが【乳児期の皮膚炎(肌荒れ)】です。『皮膚炎=皮膚のバリア機能が低下している状態』であり、その皮膚からアレルギーの原因となる食物が入りこみ感作される(その食物を異物と認識しアレルギー反応を生じる)と考えられています。逆に食べることで寛容機構(その食物を異物ではないと認識しアレルギー反応を生じなくする)が働きます。

 つまり、特別なリスクがない場合は、生後早期から皮膚の状態を良好に保ち、種々の食物を遅らせることなく摂取することが食物アレルギーの予防となります。

 当クリニックでは、生後早期からのよりよいスキンケア方法、乾燥・湿疹等の皮膚炎の対応、離乳食の進め方等を積極的に行っておりますので、気軽にご相談ください。